1.General Magic 1993~1995
個人用情報端末で有線、または無線で情報通信を実現する計画であった。今で云うスマート
フォンの機能をほとんど取り入れた情報携帯端末で画期的アイデイアであった。彼等はApple Computerからの転出組で新しい情報システム構築に熱意を持っていました。私が担当責任者になったのは1994年で、すでに3社が多くの投資を終えている状態で開発をヴェンチャーとしてスタ-トていた。マネージメント(主にMr. Mark Porat)は夢を語るのが大変スマートで聞き手をなんとなく納得させ、サポーターにしてしまうという説得力を持っていた。途中から引きうけたものの、彼らの実現したい事と現実のインフラ関連の準備とが合致していないことを把握、本当に彼らの夢を達成出来るのか心配になった。なにが合致していないかというと;
例えば; MODEMのスピード (当時は1.2~2.4KBPS)
ROM容量・サイズ、消費電力、
CPUのスピードおよび処理能力
Telescript Networkを広めるための必死項目であるRobustness
個人向けのApplication software
等など、
GM社の社長曰くこのような素晴らしいアイデイアの通信端末は他社に無く早く実現したい!
当然我々もそう願って進めたわけですが各種の課題が山積し、投資家である3社(AT&T<Motorola, Sony)やGM社の中で解決できないものが多く出てきた。
また現実の開発速度は非常に遅く(?これはスペックを確定しないで進めるため)、またバグも多く品質保障が出来ない状態であった。
Network SoftwareであるTelescriptの開発も遅れ頓挫の状態。
何度もGMのマネージメントと話し合いを持ったが、なかなか商品としての発表が出来ない状 態が続いた。1995年にようやく最初の端末を発表し発売にこぎつけた。しかし、このとき世 の中は大きく変化していた。つまりネットワークに関してはInternetが台頭してきた。この プロトコルを活用すればTelescriptは必要ないことが判明。これはGM社のアイデイアが実現 できない状態で終局を迎える信号であった。GM社のマネージメントはそれでも実現に向けて 躍起になっていましたが、前年ながら私は納得がいきませんでした。
多くの夢を語り投資家に投資を実行させてNASDAQに上場は果たしたものの私は本社に撤退 の説得にかかり実現した次第。
このプロジェクトは所謂技術思考の最たるもので、自身の夢や技術のによって世の中の動きを 見失い、開発の方向やビジネス化のシナリオを間違ってしまったいい例ではないのではないで しょうか?
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